観音様は、俗人の私たちが日常生活の中で人としての正しい道を歩めるようにと、お釈迦様が贈って下さった菩薩様です。
大智寺の観音様は、元々文久2年の「美濃西国手引記」に「第21番札所 北野の聞性庵十一面観音」と記録されているように、江戸後期の巡礼札所聞性庵にお祀りされていました。
聞性庵は、かつての大智寺塔頭の一庵でした。その庵で、観音様は長年村人に守られ親しまれてきました。庵の戸は年中開け放たれ、何時でも誰でも参拝できる庵でした。しかし時が経つに従い、世に悪人の絶える事なしで、次々と仏具や地蔵様、お前仏が消えていきました。そんな中で、唯一この秘仏の観音様だけは難をのがれ、現在まで安置されて参りました。世の俗悪から身を守って下さる「盗人不知の十一面観音様」です。